遺言について 葬儀の基礎知識

「遺留分の制度」について

遺言により遺産全部をある特定の人物に与えようとしても、遺族には必ず一定額が相続できる措置がとられます。
これを「遺留分の制度」といい、相続人が配偶者と子供の場合、遺産の二分の一が遺留分となります。
しかし、故人の兄弟姉妹には遺留分は認められません。

遺言書の意義

ill2_1遺言による相続、すなわち指定相続は法定相続に優先します。

法定相続が優先し、それに従うのが当然、と一般的には思われているようですが、遺言によって相 続が行われるのが本来であって、遺言がない場合には被相続人の意思が分かりませんから、被相続人の意思を推測し、止むを得ず法定相続に従う、と考えるべきものです。
ですから、財産の有無、相続税やトラブルの有無にかかわらず遺言は必要で、すべての人は遺言によって自分の 財産の処分をすることが民法によって保証されています。

以下の場合では遺言が必要になります。
・子どもがなく、配偶者と親か兄弟姉妹が相続人となる場合。
・先妻の子どもと後妻の子どもがいる場合。
・子どもの中で特別に財産を与えたい子がいる場合。
・相続権のない孫や兄弟姉妹に遺産を与えたい場合。
・子どもの嫁に財産の一部を与えたい場合。
・内縁の妻や認知した子どもがいる場合。
・同族会社や個人事業で、後継者を指定しておきたい場合。
・生前世話になった第三者に遺産の一部を分け与えたい場合。
・遺産を公益事業に役立たせたい場合。

遺言書の種類と方式

遺言書の種類と方式遺言は、本人の意思を死後に実現させる制度ですから、遺言者の真意が明確に伝わるものでなければなりません。
そのため民放では厳格に方式を定め、それに従ったものだけを有効な遺言と認めています。

すべて文書によるものでないとなりませんが、その種類、方式には何通りかがあります(図1参照)。

普通、私たちが遺言といっている多くは、普通方式のことです。普通方式の中でも最も実際に多く使われるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の二つの場合がほとんどで、秘密証書による例は少ないようです。

自筆証書遺言とは、
全文・日付・および氏名を自分で書き、これに捺印するというものです。

正証書遺言とは、
公証人の立ち会いの上で公正証書につくる遺言です。

秘密証書遺言とは、
遺言そのものは自分でなくてもよいですが、自分で署名捺印した上で証書を閉じ、公証人から遺言であることの公証をうけるものです。

特別方式の遺言とは、
病気その他の理由で死亡の危急に迫ったとき、隔絶されている場合にとられるものです。
その他、伝染病で隔離された者、船舶中にある者、船舶が遭難した場合などについての便宜な方法が規定されています。

遺言書の書き方

遺言書の書き方
■自筆証書遺言書の条件

一 全文が必ず自筆であること。様式は縦書き、横書き自由で用紙にも制限はない。
  筆記用具もボールペン・万年筆・毛筆など何を使用してもかまわない。

二 日付・氏名は自筆で記入してあること。ペンネームなど本名以外でも、遺言者が特定できれば有効。

三 捺印は実印が望ましいが、認印や母印でも有効。

四 加除訂正する時は、訂正箇所を明確にし、その箇所に捺印した上、署名すること。

 

■公正証書遺言書の条件

一 公証人役場に証人二人以上と出向く。

二 遺言者が遺言の内容を公証人に口述する。

三 公証人がその口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせる。

四 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認した後、各自が署名捺印する。

五 公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印する。


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